保育士の給料はなぜ低い?
保育士として働いていると、「仕事は大変なのに給料が見合っていない…」と
感じたことはありませんか?
実はこの問題、単に「園がケチ」なのではなく、制度や業界の構造が大きく関係しています。
今回は社労士の視点から、保育士の給料が安い理由を解説します。
①→「国が決めている保育園の収入の基準」で賃金が決まる。
保育園の収入の多くは、国が定める「公定価格」で決まります。
つまり、
★園が自由に料金を上げられない
★人件費に使える額もある程度固定
結果、園が自由に利益を出せない=大幅な給与アップが難しい構造になっています。
3~5歳児の保育料無料。あの分の保育料は親から入ってきませんしね。
②→人員配置基準が最低ライン
国の配置基準は「最低限の人数」で設定されています。
そのため現場では、
★ギリギリの人数で回す(良かれと思って配置を増やすと分母(保育士数)が増えて一人当たりの給与が減る)
★一人あたりの負担が重い
③→加算制度が複雑&現場に届きにくい
処遇改善加算などで、本来は給料アップの仕組みがあります。
しかし実際は、
★分配方法が園ごとに異なる
★全額が給料に反映されないケースもある。
★そもそも申請していない(前回書きましたが、申請がものすごく大変!)
結果「上がっているはずなのに実感がない」となる。
④→労働環境と慣習の問題
社労士として見ると、以下の問題も大きい。
★サービス残業が発生しやすい
★持ち帰り仕事が常態化
★「子どものためだから仕方ない」という空気→やりがい搾取とも取れる。
本来払われるべき賃金の実態が良く分からない。
じゃあどうすればいいのか?
~現実的にできる対策~
☆園選びを見直す
園によって制度の活かし方や運営方針はさまざま。
・処遇改善の分配について説明があるか
・残業代の取り扱いが明確か
事前に確認しておくことで、ミスマッチを防ぐことができる。
☆証拠を残す
日々の働き方を見える形にしておくことも大切。
・勤務時間の記録
・持ち帰り業務の内容
お互いに状況を共有する材料にもなる。
☆制度を知る
制度を知ることは、自分を守るだけでなく、より良い職場づくりにもつながる。
・有給休暇
・残業の考え方
・社会保険の仕組み
正しく理解することで、建設的な話し合いがしやすくなる。
まとめ
保育士の給料が安いのは園側が悪いのではなく、
☆制度の問題
☆業界構造
☆現場の慣習
が重なっているためです。
ただし、知識を持つことで改善できる部分もあるのが事実です。
まずは「仕組みを知ること」が、働き方を変える第一歩になります。
子どもが好きで保育士になった人は多いはずです。
だからこそ、その想いだけに頼るのではなく、きちんと評価される環境が必要だと感じます。
保育の質を守るためにも、働く人の待遇改善は欠かせません。
少しずつでも、制度や現場が変わっていくことを願っています。

